プラゥヴクルイード賀茂六花編
しゃくなげ ■ストーリー■魔法、呪術――人によって為される【奇跡】。その多くは科学技術文明の発展と共に、歴史の表舞台から姿を消したかに見えた。
しかし科学の発展は、ゆっくりと、だが確実に【奇跡】を理として解き明かしていた。
そして21世紀も最早過去となった時代、人々は【奇跡】を自然科学によって説明される分野の一つ【ソーサリー】と捉えるまでに成長していた。
世界は【ソーサリー】を科学技術の助けを得て使いこなす者を【ソーサラー】と、そして何ものの助けも得ず奇跡の如く【ソーサリー】を使う者を、古よりの呼び名【魔法使い】と呼んだ……。
学園都市【試しの門】、を中心とした独立都市だ。
主人公賀茂勇司は、【魔法使い】の名門賀茂家の長男として産まれたにも関わらず、一切【ソーサリー】関連の才能がないおちこぼれだ。
おかげで跡取りである義妹の六花の保護者兼手伝いとして、自分の入学式も休まされて彼女の入学式に付き合う羽目に。
入学式――世界中から【魔法使い】が集う名門【試しの門】学園、そしてその学園を中心とした【ソーサリー】溢れる独立学園都市【試しの門】の住人となること。
落ち零れ勇次には縁もゆかりもないこの街で、彼のちょっと変わった青春活劇が幕を開けようとしていた……。
■【一滴の涙】の伝説■黒い森の奥深く、人界の果ての大地。
かつて人々によって人界を追われた神々の一人が、その最後に一滴の涙を落とした地とも言われている。
その涙一滴には古の神の力が宿っていると伝えられ、その力を欲する多くの者達が集い、多くの混乱と戦いが大地を満たした。
それを嘆いた森の魔法使いメルディン・アンブロジウスは、【一滴の涙】を空へと封印し、そこに通じる門を作った。
アンブロジウスは言った「一滴の涙を欲するものは、門の試しを受けよ」と。
その日以降、空に浮いた【一滴の涙】の下で争乱は止み、門の試練を受けるために世界各地から多くの魔法使いが集まり、この地で生活をするようになった。
やがてそれは、この地に魔法を磨く者達の学園【試しの門】を生むことになる。
それから幾星霜、学園を中心として街が形成され、この地が学園都市【門の都市】として発展した今なお、空に【一滴の涙】は浮き、門の試しを乗り越える者は一人として現れていない……。
■登場キャラクター■◆賀茂六花(かも・りっか)本来は従姉妹だが、勇次に才能が無いため養女になった義妹。
学業抜群、運動神経抜群、さらに強大な【魔法使い】でもある。
賀茂家の跡取りとして非常に気位が高く、負けず嫌いで、努力家。
勇次の代わりに跡継ぎとして育てられており、【ソーサリー】の才能が一切ない兄を見下し、きつく当たることが多い。
が、小さい頃は、全て勇次に敵わず、密かに憧れが刷り込まれてしまっているような……。
秀才型で普段は冷静沈着、取り澄ましているが、一度発火すると猪突猛進、周囲が見えなくなる。
ついでに緊張にえっらい弱く、すぐトイレに籠もってしまう悪癖も。
そのおかげで、入学式早々からトラブルに巻き込まれ、トップ入学のはずがおちこぼれクラスに入る羽目に。
しかも何故か勇次までもが一緒に……。
魔法は、鬼や龍を呼び出し使役する強力な物であり、高い戦闘力を持っている。
いつも賀茂家当主に累代仕えてきた式神クレハを付き従えている。
◆賀茂勇次(かも・ゆうじ)165センチ、運動神経も良く頭の回転もまぁまぁだが、努力は苦手なタイプ。
頑張ればもてそうな外見だが、あまりファッション等には興味が無く、身だしなみも最低限の気遣いしかしていない。
性格は、好奇心が強く、しっかりスケベ。
あまり物事を深く考えずに行動するタイプで、決断は早い。
日本の【魔法使い】を統べる名門賀茂家の嫡男に生まれたが、【ソーサリー】の才能は一切無く、廃嫡されている。
義妹である六花には、彼女の【魔法使い】としての大きな才能や、跡取りを任せてしまったことなど、複雑な感情を抱いている。