Rainmemory-あまやどり-

flap
★ストーリーいつもの街並みをいつもの時間に、車で通りすぎる。
今日は、今日こそは大学の講義に出るはずだった。
だけど………気が付いたら車を路肩に止めて駐車していた。
(この分じゃ……また講義をサボるつもりなのかな、僕は)そう思いながら、ハンドルに顔を伏せる。
サボる理由は?――雨が降っていたから。
カメハメハ大王のような理由だと、自らを省みて苦笑する。
僕は、雨が嫌いだ。
理由は…………なんなのだろう。
自分でもよく判らない。
そんなもやもやを振り払おうと顔を上げる―――と。
そこに、雨宿りをする彼女―玲音(れいん)―がいた。
自分でもよく判らない。
でも、気が付くとドアを開けて、彼女を招き入れていた。
雨の日に雨(レイン)という名前の子を乗せる――。
その偶然に、僕はきっと自分が嫌いな雨を重ねてしまうのだろうと思っていたのだけど……。
そうは、ならなかった。
こうして、止まっていた「雨-レイン-の記憶」が、再び動き始める。
★登場キャラクター■主人公:青葉真(あおばまこと)医学部医学科1年生。
雨が苦手。
というより「嫌い」。
両親も医者であり、入院施設もあるそこそこ大きな病院を経営している。
難関を突破して医学部に入学したにも関わらず、いつの間にか自分が医者を志した理由を明確に思い出せなくなっており、現在はあまり真面目に講義には出ていない。
女の子をナンパするような性格ではないのだが、なぜかヒロインに惹かれてしまう。
■雨宮玲音(あまみやれいん)主人公が卒業した学園に通う3年生。
チアリーダー部所属。
外見からはやや大人しい感じを受けるが、しゃべるとかなり快活で積極的な性格。
主人公を「おにいさん」と呼び、口調は基本、砕けた感じでたまに丁寧語。
主人公とは初対面のはずだが、彼のことをすでに知っているような素振りを見せる。
と同時に、主人公自身も記憶と噛み合わない不思議な感覚に襲われていく。