マゾ×ラブ
10mile ◆◇◆ストーリー◆◇◆普通の恋愛に憧れる男――“影代双司”。彼はハード系のエロを得意とする人気同人作家である。
ホントはこんな暴力的なジャンルは描きたくないが、売れるので仕方なく描いているのだ。
双司の唯一の心の癒しは憧れの女学生“前月柚”との会話。
それは彼女が通学でアパートの前を通る、ほんの数秒、数分で交わす挨拶にすぎない。
そんな些細な事で至福を味わえるほど双司は純情な青年だった。
そしてある日、彼に転機が訪れる。
前月柚が暴漢に襲われたのだ!勇気をふりしぼって助けに入る双司だが、気がつけば病院のベッドの上。
――『情けない、僕は好きな女の子ひとり助けることができないのか……』。
だが、失意のまま退院した双司は驚いた。
3人の美女が双司を待ちかまえていた!女学生“前月柚”は言う――「あなたが……私を助けてくれたんですよね?」防護官“白継勇斗”は言う――「暴漢を半死半生の目にあわせたのは影代双司、キサマだな?」看護師“筧蘭華”は言う――「か、影代さんは……彼女さんとか……いないんですよね?」――『よくわからないけど……僕にも春が来たってこと!?』このとき誰が気付けただろう……双司の中で、恐ろしい怪物が目覚めたのを。
◆◇◆登場キャラクター◆◇◆▼前月柚(まえつきゆず)純真学生巫女双司が恋こがれる理想の女の子。
暴漢から自分を救った双司を、白馬に乗った王子様だと思い込む。
一人っ子でさみしがり。
陵条九太郎とはいとこ同士で仲が良い。
実家は神社で、人手の足りないときは手伝う。
好物はビターポッキー。
▼筧蘭華(かけいらんか)天然系看護婦看護師。
ひとに尽くすのが好きで面倒見がいい。
自己主張が弱いため、すぐまわりに流されてしまう。
しゃべるのが遅く、思考は常にネガティブ。
ここ最近、自分は看護師に向いていないんじゃないかと悩んでいる。
100円ショップが安息の場所で、一日中いても飽きない。
東北出身で油断するとなまりが出る。
▼白継勇斗(しろつぐゆうと)無敵爆乳防護官須賀浜防護隊員。
仕事に人生を捧げている。
「最近の男は弱すぎる」が口癖。
男まさりで正義感が強く、曲がったことが大嫌い。
双司のことを連続暴行魔ではないかと怪しむ。
大きすぎる胸を気にしている。
ウソが下手。
▼長谷川ね子(はせがわねこ)脳天気オタガール漫画アシスタント。
双司を尊敬している。
オタク少女で極度の近眼。
趣味はコスプレ衣装を作ること。
裕福な家庭に生まれた三人兄弟の末っ子。
人見知りで緊張するとしどろもどろになる。
シュークリームが正気を失うほど好き。
▼影代なえ(かげしろなえ)健気系姪っ子姪。
双司の兄の娘。
小さいころに双司が描いた、夢とファンタジーあふれる漫画を読みファンになる。
もちろん今の双司がハード系同人誌でブイブイ言わせていることなど知るはずもない。
同世代に比べて発育の悪いのがコンプレックス。
虫、カニ、カエルなど小さい生き物が好き。
▼蒼月冬香(あおつきふゆか)おせっかい管理人双司のアパートの管理人。
4年前に夫を亡くしている。
部屋にこもり、働く様子のない双司を不快に思っている。
おいしいお茶でひと息つくのが至福。
▼南方かがり(みなかたかがり)双司と同じ、ハード系ジャンルで活躍するプロ同人作家。
女扱いを嫌い、同人活動は委託専門。
そのため謎の作家と呼ばれている。
芯が強く負けず嫌い。
双司の漫画に自分に欠けているものを見いだし、ライバル心を燃やす。
漫画の壁にぶつかり、悩んでいる。
▼影代双司(かげしろそうじ)本作の主人公。
ハード系同人誌で生活するプロ同人作家。
夢は漫画家になること。
しかしハードエロ以外は評価されたことがない。
本人は気づいていないが、マゾを目覚めさせる才能を持つ。