痴漢レストラン1A
ドラゴンフライ グルメを自称する恋人、咲来と森の中にある不思議なレストランを訪れた俺は、支配人であろう白髪の老人の気品溢れる礼儀正しさに圧倒された。不相応な店に来てしまった……、と俺だけじゃなく、咲来も感じているようだ。
店内に案内されると、そこは非常にムーディーな雰囲気で、高級レストランに来た、という昂揚感に包まれる。
バチ当たるんじゃねえか……、そう考えるが早いか、椅子に腰かけた途端、無機質な金属音と共に腕と足がベルトによって椅子に固定される。
もちろん、咲来も同様に拘束されていた。
「な、なんだよこれ!?」――、そう怒鳴りつけると支配人らしき男が「どうぞ落ち着いてください。
こちらはお客様にじっくりと腰を押しつけてお食事していただくための装置でございます」と丁寧な口調で説明されるが……。
―――「一話プロローグ」より