螢子第一夜「凌」

GREENBUNNY
母の死により、親戚の弥津奴(みずぬ)に呼び寄せられ、日本海沖に浮かぶ小島にやってきた涼。
弥津奴は小島に住む古い血を受け継ぐ一族の当主であり、滅多に人前には出てこない。
弥津奴の妹の螢子だけが彼の感情を理解できる唯一の存在であった。
島にやって来た、涼を本当の姉のように慕う螢子だが、華奢で色白の身体からは想像のつかない凶暴さと烈しさを秘めていた。
古いしきたりの残る小島では当主に娘を差し出すのが村の秘儀として残存しているらしいが……。