FirstLove香澄

バニラ
思えば。
ようやくデートまで漕ぎ着けたのに、まさかのドタキャン。
せっかく押さえたレストランをキャンセルするのも勿体なくて、ナニゲなく香澄に言った一言――「まあ、一緒に食事にでもどうかなって…」服はヨレヨレ、髪はボサボサ。
パッとしないにもホドがある香澄は、だが、見違えるような姿で待ち合わせの場所に現れた。
あまりのことに理性を保つべくついお酒が進んでしまい、予定外の外泊に。
不意に抱きついてきた彼女は頬を染め俯きながら言った。
「お兄ちゃんのこと…、ずっとずっと好きだったから」――そこから俺たちは始まった。