誘惑COUNTDOWN「鏡(AKIRA)第一章」

ピンクパイナップル
生れ落ちた瞬間から、愛しい“罪”を犯していた男も女も魅了する艶やかな雰囲気をもつ眉目秀麗な青年、雨夜鏡(あまみやあきら)。
その誰もが欲しがる鏡の心は、快楽を追い続ける美子ではなく、逢うことの出来ないあの人で占められていた。
決して叶う事のない背徳の想い……。
愛に飢え、渇き冷めきった鏡にとって、抱く相手など誰でもよかった。
その見境いのなさに眉をひそめる美子の友人・要は、鏡の軽薄な言葉に必要以上に感情的な反応を示した。
それは、本気で他人と交わることのない孤高の存在に出逢ったことで、要の内部に変化が起きた証だった。
鏡に関するすべてのことに苛立つ要は、不安を消し去ろうと恋人にすがりつく。
だが、その思いを裏切る恋人の態度に絶望した要は、雨の中をあてど無く彷徨った。
そして出逢ったのは、鏡だった……。