双子鏡音と魔法:支配の声

精神凌●
鏡●●ン&レンの小説。
●●頃に戯れにかけた魔法が、二人のその後の関係にやがて、大きな変化をもたらしていく。
「この間、『支配の声』を覚えたよ。
言葉の通じる生き物に命令して、自分の言うことを聞かせられるんだって」「ふうん……?」リンは、小さく首を傾げた。
「ねえレン、試してみせてよ。
私にかければいいでしょ?」「それじゃ、リン――」レンはすうっと息を吸い込んで精神を集中させ、覚えたての魔力を一生懸命に込めて、次の言葉を発した。
「――『ぼくを愛して』!」一瞬、リンの目が虚ろになり、体がぴくんと跳ねたような気がした。
だが次の瞬間には、リンは首を傾げて、くすくすと笑う。
「それじゃ、効いてるかどうかわからないじゃないの。
わたしがレンを好きなのは、当たり前でしょ?」そう、当たり前なのだ。
同じ日に生まれた片割れ同士、二人はずっと仲良くしてきたし、お互いのことが大好きなのもわかりきっていた。
だからこんな命令、してもしなくても変わらないし、ほんの冗談以上の何の意味もない。
その時は、どちらもそう思っていた。
・・・「ずっと一緒に育ってきたのに……離れるなんて……」わたしはレンを愛さないといけないのに、離れ離れの部屋で生活するなんて。
その分の埋め合わせに、私は一体レンに何をしたら、これまでと変わらないくらい愛し続けることができるんだろう?「……わかった」ややあって、リンはそう言って頷いた。
「でも、寝るときまでは、わたしの部屋にいてよ。
遊びに来るくらい、いいでしょう?」・この作品の主人公らは鏡●●ン&レンをモデルにしていますが、ボーカ○イドではない双子の姉弟です。
・舞台は魔法の存在するファンタジーやメルヘンなどこかの世界ですが、あまり詳しい設定は登場しません。
・魔法は物語上重要な役割を果たしますが、あまり派手なものはないし頻繁に使ってもいません。
・紹介メイン画像およびサムネイル画像に、AI生成画像の加工品を使用しています。
作品ファイルには、AI画像は含まれていません。
・文字数は約15,000文字です。