どうぞ、妹の写真です2-Ver.half

いちご館
母親が消えたそれは酷く唐突で、しかし理解するのには時間がかかった僕ら兄妹はまだ幼く、冷蔵庫の中身が軽くなっていくその様を見ていることしかできなかった。
腹が減った。
飢えた。
お金を自分たちで稼がなければならないということにそこで初めて気付いた。
仕方なかったんだ。
だって僕の妹は余りにも美しかったのだからだって僕らには他にできることなどなかったのだからただ母が遺したカメラに妹の姿を収め、その写真を食料に変えただけなんだ。
妹のことを守りたかったし、お陰で食べるものに困ることはなくなった。
でも、僕の想像した以上に僕の妹は美しすぎて、普通に働くことが馬鹿馬鹿しくなってしまう程の大金が毎日のように口座に振り込まれてしまっていた。
ああどうしよう。
もうこれ以上妹の写真を男達に売らなくたっていい筈なのに、どうしても辞められないんだ。
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