イギリスに現存し、中世を体験する博物館として公開されているLurgashallwatermillをモデリングしました。
元の水車は17世紀のもので、その後改装されていましたが、現在の博物館移設の際に復元再建されています。
日本と異なり、挽かなければ食べられない小麦を主食とする欧州では水車・風車が非常に発達しました。
この複雑な構造を再現しています。
また粉挽き小屋は領主が建て、使用時には一部を納めることになっていました。
この風習は欧州の広い地域で一般化しており、このため常駐する粉挽きは非常に嫌われており、中世には広い地域で賤民として扱われていました。
(阿部謹也氏は税を納めるためでなく、麦を変化させるという不思議な行為からの畏れであるという視点です)この税を間違いなく徴収するため、中世では手回しの石臼は薬剤師など業務上必要な場合を除き、個人の所有は禁止されていました。
水車の構造は上掛け水車(段差を利用して上から水を受ける水車)で、下掛け水車(水路に水車を当てる形式)に比べると2.5倍~3倍の効率があります。
欧州では早い時期に上掛け水車が主流になっているため、この形状をモデリングしました。
内部は三階建てになっており、この構造も一般的なものです。
・一階:水車の機構部分・二階:石臼など、実際の加工部分・三階:小麦の投入部分三階まで小麦を運ぶのは大変なので、巻き上げ機(hoist)が装備されています。
ロープが3本ぶら下がっていますが、それぞれが以下となっています・hoistを操作するロープ(強く引くと巻き上がる)・hoist(これに小麦袋を付ける)・石臼を揺らす紐(引っかかった時用)石臼は左右に2つ付けられる構造ですが、ここでは右だけに石臼が装備されています。
(実際の博物館の状態をそのままモデリングしています)石臼の投入部分は三階で、そこに小麦袋を入れておくと振動で下に落ちるようになっています。
小麦が無くなると振動が大きくなるので、鈴が鳴る仕組みです。
軸に突起があり、自然に振動するようになっていますが、引っかかった場合には右の紐で揺らすことで小麦を下ろします。
石臼で挽いた粉は右のスロープから凹型のストッカーに落ちて来ます。
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