【官能短編小説】瀬井隆初期傑作集 ラブ・ファンタジー編4: 「さよなら、ピーピング・トムさん」「その壁に書かれた欲望は」[SEI's factory] | 2次元ドットコム ショップ別比較

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●作家の俺は執筆中、ときどき窓を開けて外を眺める。
目的は気分転換と、もうひとつ。
向かいのマンションの部屋が気になるからだ。
いつも半分レースカーテンが開いたそこには、美しい人妻の姿が見える。
気だるそうな、どこか訳ありの彼女。
その憂う表情としなやかな肢体が、いつしか俺の心に住み着いていた。
ある日、その窓に信じられない光景を見る。
人妻が裸に剥かれ、背後から犯されていたのだ。
セックスの最中、何度も暴力的な攻めを受ける彼女。
その生々しさに俺は興奮した。
その目撃から数日後、窓を開けた俺は、偶然その人妻と目が遭う。
すると彼女は意外な反応を……。
やがて向かいのマンションの彼女から受け入れてもらった俺は、いまでは彼女と身振り手振りで会話するのが楽しみになっていた。
遠く離れた、窓越しのジェスチャーゲーム。
長い髪を揺らして微笑んでくれる人妻は、可憐でキュートだった。
しかしある日、あの悲惨な光景が再現される。
サディストの男に組み付かれた彼女が白い裸体を凌辱される様子を、ただ為すすべもなく見つめる俺。
彼女が助けを求めるように窓へと手を伸ばしたとき、俺はアクションを起こした。
彼女がいる向かいのマンションへと駆け出していく……。
大人の男女が織り成す、窓越しに展開されるストーリー。
「さよなら、ピーピング・トムさん」●妻を亡くし、定年後の余生をひっそりと生きる寡黙な老人・六三郎。
駅ビルの清掃人として働く彼は、ある日、男子トイレの壁に卑猥な欲望が綴られた落書きを発見する。
“●●店の看板娘、アヤカちゃんとエッチしたい”消したにも関わらず、その内容は後日実現する。
アヤカが屋外で男に背後から貫かれているのを、彼は目の当たりにしたのだ。
さらに、新たに書かれた落書きの通りに痴漢事件が起きたのを知って、六三郎は確信する。
この壁に書かれた欲望は、現実のものとなるのだ。
その壁を見つめながら、彼はある考えを巡らせていた……。
自分の欲望を書き付けると、その壁はちゃんと叶えてくれる。
その秘密を知ってしまった六三郎は、淡い憧れを抱いていた雑貨店の娘の名をそこに書く。
親しく話すことだけを望んでいた彼は、暴走しそうな自分の肉欲に苦しめられながらも、彼女と心ときめく平穏な日々を送っていた。
ところがある日、事態は急変する。
自分の落書きに付け加えられた暴力的なメッセージ。
彼は娘を救うために駆け出した……。
奇妙な味わいの大人のファンタジー。
「その壁に書かれた欲望は」官能作家・瀬井隆がデビュー前に別名義で書いていた作品を、再編集して電子書籍シリーズ化しました。
今回はラブ・ファンタジー編の4。
少し切ない、「泣けるエロ」をお楽しみください。
文字数:約49,000字(長編小説の約1/2の文量)表紙イラストに「佐野俊英が、あなたの専用原画マンになります」を使用しています。
(S/N:GJ0312668)

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