【内容量】全76ページ【あらすじ】「一体なんですの、ユウイチ?急に家に呼び出したりして」「突然ごめんね。
ええと、ちょっと見てほしいものがあってさ」彼女の名前はアヤノ。
僕とアヤノはいわゆる幼馴染みってやつで、小さい頃からずっと彼女のことが好きだ。
だけどお嬢様のアヤノと一般庶民の僕が付き合えるわけなんかなくて好きだって伝えられないまま●●●になってしまった。
別々の学校に通いながら、たまに家の近くで会えるのだけが楽しみだった。
なのに、気付いた時にはアヤノに彼氏ができていた。
それからはせっかくたまに顔を合わせても、アヤノはそいつの話ばかり。
優しいだのかっこいいだの褒めまくるからどんなヤツかと思っていたら・・・高身長のイケメンで、なんと大企業の跡取り息子。
しかも性格もほんとに良いらしく、アヤノを大切にしてるらしい。
二人が手を繋いで歩いているところを何度か見たことがあるけど、お互いのことを心から好いてるのが見てるだけで伝わってきた。
僕は、アヤノにあんな笑顔を向けてもらったことなんてないのに・・・どう頑張っても振り向いてもらえないことは分かりきっていてアヤノのことを考えるだけでつらくて仕方なかった。
でもアヤノを好きって気持ちは簡単に消せやしなくて、たまに会えるのを楽しみにしながら少しずつ諦めようとしてた。
・・・だけど、そんな僕にもチャンスが回ってきた。
なんでも言うことを聞かせられる催●アプリとやらを手に入れたんだ。
このアプリで動画を見せるだけでどんなことでもしてくれるらしい。
本当にそんなことができるのかは怪しいけど、試すだけならタダだ。
ニセモノだったらふざけただけってことにすればごまかせるだろう。
・・・でも、もし、ホンモノだったら。
諦めかけてたアヤノを・・・僕の恋人にできるかもしれない。
「とりあえず、これ見てくれる?」そう言って催●アプリを開き、アヤノに見せる。
「なにかの動画ですの?」アヤノは疑いもせずスマホに目を向けている。
「うん、そんな感じ。
最後までちゃんと見てね」そう言って、ドキドキしながら起動ボタンを押した。
「なんだか目が回る動画ですわね・・・。
あら?なんだか頭が、ぐらぐら、してきましたわ・・・?」僕からは画面になにが映っているのか見えないけれど、だんだんアヤノの目が虚ろになっていく。
そうしてしばらくその状態が続き、「催●完了です」という機械音声が流れた。
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