沈マナイ月第二部[ドラゴンフライ] | 2次元ドットコム ショップ別比較

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―8月18日PM12時18分―「皐月、いくぞーっ!」明がスイカの模様の入ったビーチボールをゆっくりと投げる。
「あーーっ!どこ投げてんのよーっ!」風にさらわれ力無く失速するボールを慌てて追いかける。
波を掻き分ける度に飛び散る水飛沫が冷たくて気持ちいい。
眩い日差しと、光り輝く海。
そして、それ以上に眩しい明の笑顔。
明と恋人同士になってから、初めての夏。
あたしは力一杯浮かれていた。
明とは大学のサークルで知り合った。
初対面から妙に気が合って、それからずっと仲のいい友達として付き合ってきた。
その関係が一気に変化したのは、ほんの数週間前のことだった。
いつもの大学の帰り道で急に、明が真顔で『好きだ。
付き合って欲しい』って告白してきたの。
確かに、結構前からお互い意識してるのはわかってて、いつ、どっちが言うか、みたいな感じではあったけど、やっぱり、いきなり告白されてかなりびっくりした。
でも、それ以上に嬉しかった。
あの時、明が告白してくれなかったら、きっとあたしの方から告白してた。
やっぱり、女の子としては男の方から言って欲しいもんね。
まあ、もう少しロマンチックにして欲しかったけど。
そんなわけで、それからあたし達は公然と付き合い始めた。
まわりは、なにをいまさら、って反応だったけど、あたしは毎日充実してた。
好きな人がいるってことがこんなに幸せだなんて知らなかった、ってくらいに。

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