■□■物語■□■時は戦国、嵐の時代。
強者たちが覇を唱えて兵を挙げ、日ノ本の至る所で戦火が絶えることがなかったそのような時代に、九頭竜川の東に小国「大津塚」は生まれた。
わずかな領地に名乗りを上げたのは「神楽坂乃翁」と呼ばれる初老の男であった。
とは言え、さしたる武勲もなく、強大な兵力もない小国のこと、ひとたび戦となれば三日も保たずに滅びるだろうと、誰もが考えていた。
しかし、巷の予想に反して、大津塚が消え去ることはなかった。
いや、正確には誰にも攻め滅ぼすことができなかったのである。
大津塚に野心を向けて進行した武将の領土は天災に見舞われ、兵や領民は病魔に倒れ、麻を薙ぐようにばたばたと死んでゆく。
「大津塚は“緋天の巻物”で護られている。
攻め入れば末代まで祟られる――」真偽の程は定かではないが、信長、信玄をはじめとする群雄諸侯のいずれもが“触らぬ神に祟り無し”と考えた結果、大津塚はその命脈を保ち続けたのである。
そして、永禄四年の春この物語は端緒を迎える。
鎮守の森に囲まれた小城“大津塚”の殿中で、時の城主「神楽坂政親」の首を斬られた亡骸が見つかった。
謀反を起こした下手人は、その夜謁見の予定があった浪人頭「堀紋十郎」とされたが、家臣たちが長屋を訪れたところ、紋十郎はすでに姿を消し、大津塚から逃亡を図っていた。
時を同じくして、家宝である“緋天の巻物”の紛失も判明し、大津塚城内は一気に慌しくなる。
嫡男・神楽坂小十郎太は、夜があける前に侍大将数人を引き連れ、紋十郎の後を追った。
また、時を同じくして、御伽衆に草を放っていた風魔の一族も“緋天の巻物”を手に入れるべく密かに動き出した。
さらに、複数の刺客もまた巻物を奪わんと、紋十郎の命を狙っていた……。
かくして、乱世の時代、歴史の陰で日ノ本は大きな転機を迎えようとしていた……。
■□■登場人物■□■●綾鷹シズネ(CV:赤司弓妃)風魔のくのいち。
命を受けて緋天の巻物を奪うべく、紋十郎の後を追い、その命を狙う。
戦で孤児となり、否応なしに忍の道を歩むが、性格は町娘と変わらない年頃の美少女。
クナイの扱いにかけては風魔の里で一、二を争う手練れで、さらに左腕にはチャクラの竜を宿している。
「殺ったろうじゃん!ほら、さっさと抜きなよ、ご自慢のエモノをさ!」●神楽坂小十郎太(CV:椎那天)神楽坂政親の忘れ形見。
父の仇を討ち奪われた緋天の巻物を奪還しようと紋十郎の後を追う、大津塚の若き国主。
まだ元服前だが、紋十郎とは旧知の仲。
その恵まれた容姿と生まれを紋十郎は常に妬んでいたが、実は……。
愛刀は絶大な破壊力を誇る神楽坂家の宝剣、オサフネ。
「フッ……今宵の月が今生の見納めだな、紋十郎ッ!」●アルマ・エリュシオン(CV:かぷちぃの)たまたま、ヴァチカンから訪日していた、バテレン東方師団の構成員。
とある事情から帰国の途につきそびれ、帰国のための条件として紋十郎の命を狙う。
クールそうな外見とはうらはらに、実はかなりのドジッ娘。
魔導書を手に、四大元素の魔術を操る。
「神の御名と精霊の加護によって、風よ、吹雪け!雷よ、轟け!」●三好晴美入道(CV:野々村紗夜)京の六宗総本山である「六波羅」より、緋天の巻物の奪還を命じられた魔乳が特徴的な怪力の尼僧。
般若湯(酒)をあおり、童貞喰いが趣味の淫乱破戒僧。
右腕には一面に包帯が巻かれており、生身の腕を見た者は誰もいない。
ちなみに、真田十勇士に登場する同名の人物とは縁もゆかりもない。
「菩薩も閻魔も今更、手ぇなんざ出せないのさ。
なんせ敵は……」●殺山那由他(CV:綾瀬あかり)冥府の王「閻魔」の命を受け、恐山のさらに北、蝦夷殺山よりやって来た言霊使い。
紋十郎の持つ緋天の巻物を狙っている。
外見は少女だが、その年齢は実に八百歳。
白昼堂々、淫らな夢想を見せて相手を惑わせ、その正気を狂わそうとする。
「ふふ、ならばよかろう。
冥土の土産に、御主の正気狂わせてやるわ……」●堀紋十郎本作の主人公。
小国、大津塚の元サムライ。
野伏であった若いころ、大津塚の先代国主「神楽坂政親」と出会い召し抱えられる。
下役ではあるが忠義に厚く、剽悍な性格で幾度の合戦を生き延びてきた。
ある夜、主人である神楽坂政親の頸を刎ねて殺害し、“緋天の巻物”を奪って逐電した。
●わんにゃ~謎の生き物。
紋十郎曰く「犬と猫のあいのこ」とのこと。
通常は四本足で歩いているが、時々二本足で移動したり気まぐれで踊ったり歌ったりする……らしい。
「ツアッ!」という鳴き声を上げる。
本作のマスコット的存在。
物語的な重要度はまったくない。
くらむちゃうだ~ の作品が 1 件見つかりました 全1ページ
公開日:2013年9月27日
サークル:くらむちゃうだ~
最安価格:6,825 円
■□■物語■□■時は戦国、嵐の時代。強者たちが覇を唱えて兵を挙げ、日ノ本の至る所で戦火が絶えることがなかったそのような時代に、九頭竜川の東に小国「大津塚」は...