「あの時、あんな風に断らなければ……」数年前、熱烈なアプローチをいなした年下の元後輩・瀬川くん。
数年ぶりにショッピングセンターで偶然再会した紗理奈は、既婚者でありながら、彼のまっすぐな好意を拒絶しきれなかった自分を思い出す。
激しいスコールが二人を車内という密室に閉じ込めるまでは、単なる懐かしい再会のはずだった。
雨音だけが響く空間で、肌が触れ合い、熱が伝わる。
理性を溶かすほどの背徳的な時間が、今、始まる――。
総字数約8500字〈本文より〉「瀬川くーん」自分が発した声が、思ったより大きく響いた。
「ん?」と、彼が怪訝そうに振り返る。
紗理奈の顔を認識した瞬間、彼は「あ!」と短く声を上げ、驚きに目を見張った。
「お久しぶりです」慌てて頭を下げる彼に、紗理奈は近づきながら笑いかけた。
「すごい偶然ね。
瀬川くん、久しぶり」彼が前の会社で同じグループにいた頃、紗理奈は三十代半ば。
彼はまだ二十代後半だった。
ただ、彼が自分に向けていた視線が、単なる先輩への尊敬だけではないことにも気づいていた。
〇「じゃあ、雨がやむまで一緒にいたいです」瀬川くんの真っ直ぐな言葉が、雨音の合間を縫って鼓膜を揺らす。
紗理奈は「よいしょ」と小さく声を漏らし、濡れたブラウスのボタンに手をかけた。
彼の視線を感じながら、後部座席で器用にブラウスを脱ぎ、下に隠れていたキャミソール姿になる。
「紗理奈さんの肩のライン、凄い綺麗ですね」静寂を破った瀬川くんの声は、以前よりも低く、大人の男のものだった。
露骨な視線に、紗理奈は頬が熱くなるのを感じる。
「ちょっと、あんまり見ないでよ。
もうおばさんだから」「おばさんなんかじゃないですよ。
どう見ても、俺と同世代か年下に見えますって」〇もう、我慢の限界だった。
「瀬川くん、もう入れて!」理性のタガが外れた自分の声が、車内に響く。
「でも、ゴム持ってないです」一瞬、彼の動きが止まり、現実的な言葉が投げかけられる。
しかし、紗理奈の欲望はもう止まらなかった。
「いいから、そのままで!」喘ぎながら彼を見つめる。
もうどうなってもいい、という破滅的な衝動が、紗理奈を突き動かしていた。
瀬川くんはコクリと頷くと、紗理奈の体を後部座席に深く座らせ直した。
「中で出さないようにしますから」そう耳元で囁くと、熱く膨張した先端が、紗理奈の熱く濡れた入り口に押し当てられた。
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